業務アプリの仕様と換喩

ちょっと思ったこと。
"換喩 wikipedia"
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%A1%E3%83%88%E3%83%8B%E3%83%9F%E3%83%BC

概念の関連・近接性に基づいて語句の意味を拡張して用いる、比喩の一種である。

"換喩 かんゆ metonymy"
http://www.geocities.jp/balloon_rhetoric/example/metonymy.html

表現したいことばを使うかわりに、
その表現したいことばの近くにあることばを、代わりにつかうレトリック

のことを、「換喩」と呼びます。
ただし、

その「近くにあることば」というのは、実際にモノどうしが近くにある

というだけではなくて、

時間の前後という関係で、近くにあるモノ
人が考える時に、近くだと考えるモノ

業務アプリの受託開発を行う場合、お客さんに、いったいどんなシステムが欲しいのか聞いて、理解してから仕様を決め、設計・開発という流れになるとおもう。
で、最初のインタビューするとこと、仕様を決めるところが肝心要であるということは論を待たない。
でも、開発する側は、お客さんの業務そのものの知識が不足してる場合があるから、お客さんから話を聞いても、勘違いして受け取ってしまう、ということもありがちだと思う。で、勘違いしたまま作った仕様をお客さんに見せて、なんとなくあってるからOKってことになってあとで悲劇が訪れる、ってことも。

wikipediaでの例に、次の説明があった。

漱石を読む」=漱石の作品を読む。

漱石を読む」という文を見て、正しく理解して右の「漱石の作品を読む。」という意味を引き出すには、漱石という単語や慣用に対する知識が必要で、それがなければ、たとえば、漱石=本の題名 だと思ってしまうこともありうる。
こんな勘違いが、SIの現場でも起こっていないだろうか、とちょっと思った。
自然言語は複雑で非明示的だな、というより、人間の頭はそういうもんだ、と。
レトリックや文脈・視点の切り替え、多義性を柔軟に使いこなしながら会話してるんだな、あんまり自覚してないけど。