p.71の3.Choice problem
次のように、g とhが与えられているときに、fを探すのがchoice problem。
\begin{array} \qquad    B  \\ \qquad ^{f?} \Huge\nearrow  \qquad  \Huge\searrow   \Large^{g} \qquad \\ \quad A  \Huge  \longr _ {\large h}\large \qquad C \end{array}
なんでchoiceかというと、Aのそれぞれの要素aについて、h(a)=g(b)となるようなBの要素bを選ぶようなmapがfとなるから。
このとき、そのようなbがBに含まれなければ、h=g \circ fとなるようなfは存在しない。そのようなbが、Bに複数見つかる場合は、fが複数見つかることになる。
例として、住人、スーパーマーケット、町の集合があげられている。
\begin{array} \qquad    Supermarkets \\ \qquad ^{f?} \Huge\nearrow  \qquad  \Huge\searrow   \Large^{location} \qquad \\ \quad People \Huge  \longr _ {\large residence}\large \qquad Towns \end{array}
住人は、それぞれどれかの町に住んでいる。スーパーもどこかの町にある。
一人の住人が複数のマーケットに行ったり、スーパーマーケットに行かない住人がいたりすると、そもそも(住人→スーパーマーケット)のmapが存在しなくなってしまうので、
まず、住人はそれぞれ、必ずどれか一つのスーパーマーケットに行くとする。
fが存在するには、最低限、poepleの要素をp、supermarketsの要素をsとしたとき、すべてのpについて、
residence(p)=location(s)となるようなsがなければならない。
つまり、住民が住んでいる町には、必ず一つ以上のスーパーがなければならない。
そして、fは、住人が必ず自分の町にあるスーパーにいくような状況をあらわすことになる。
ひとりも住民がすんでいない町には、スーパーはあってもなくても良い。

section

下のようなとき、fが、gのsectionとなる。
\begin{array} \qquad    B  \\ \qquad ^{f?} \Huge\nearrow  \qquad  \Huge\searrow   \Large^g \qquad \\ \quad A  \Huge  \longr _ {\large 1_A}\large \qquad A \end{array}
B \longr^g A に対して、g \circ f = i_Aを満たすA \long^f Bを、gのsectionという。

sectionが存在すれば、それをもとにして必ずchoice problemの解が求まる。

\begin{array} \qquad    B  \\ \qquad ^{f?} \Huge\nearrow  \qquad  \Huge\searrow   \Large^{g} \qquad \\ \quad A  \Huge  \longr _ {\large h}\large \qquad C \end{array}
のとき、
g \circ s = i_Aを満たすA \longr^s Bが存在すれば、Aとhがどのようなものであっても、
そのchoice problem g \circ f = hの解は、 f = s \circ hとして求まる。

先ほどのスーパーマーケットと町と住人の例でsectionを考える。
\begin{array} \qquad    Supermarkets \\ \qquad ^{f?} \Huge\nearrow  \qquad  \Huge\searrow   \Large^{location} \qquad \\ \quad People \Huge  \longr _ {\large residence}\large \qquad Towns \end{array}
で、 Supermarkets \longr^{location} Townsのsection  Towns \longr^{s} Supermarkets は、各町と、その町にある一つのスーパーマーケットを結びつけるmapになる。このようなsectionが存在するには、ひとつもスーパーマーケットが無いような町はあってはならない。
これをもとに、choice problem の解 People \longr ^f Supermarketsを得るには、 f = s \circ residenceとすればいい。
こうして求められた解fは、もしスーパーが複数ある町であったとしても、そのうちの一つにその町の住民は皆すべて行くような解となる。
これではもし複数あったら、他のスーパーマーケットはだれもお客が来ないということで潰れてしまう、と。
だから、sectionを元にして得ることができるのは、fの解のうち一部である場合がほとんどだと。
fの解のすべてがsectionとの合成により求められることができるような場合とは、sectionが同時にinverseでもあるとき、ということかな。sがlocationのinverseであるとき、つまり各町に必ず一つずつのsupremarketsがあるときは、 f = s \circ residenceにより求められるfが、choice problemの唯一の解になるな。